私は女ですが、バーでの一人飲みが好きです。
バーカウンターに座っていると、いろいろな人に出会います。
カップル、同性同士のグループ、一人飲みの男女・・・。
こちらも一人、相手も一人だと、お互い気があって話が盛り上がることもあります。
中にはお酒の勢いを借りて、そのまま一夜を共にした経験のある人もいるでしょう。
しかし、バーで出会った男女が、そのまま本物の恋人になれるかというと、別問題です。 バーに求めるもの 友人同士やだれかと待ち合わせならまだしも、バーに一人で飲みに行く目的は何でしょうか。
お酒が好き、寂しいから、他に行くところがないから、だれかと話がしたい、バーのマスター(ママ)が好き・・・、バーに一人で飲みに行く理由は人それぞれです。
行きつけのバーに対して、職場とも家庭とも異なる、第3の居場所のように感じている人もいるでしょう。
中には、新しい出会いを求めて、バーをさまよう大人もいるかもしれません・・・。
バーでの出会いは非日常 バーで出会ったある異性(同性ということもありますが)に、好意や憧れのような感情を抱いていたのに、昼間意外なところで出会ったら、別人のようだった、という経験はないでしょうか。
バーというのは、一種独特な雰囲気を持っています。
ただ一人でカウンターに座っているだけで、男も女も、少なくとも120%は美化して見えてしまう、不思議な空間です。
ですから、お昼間にその人が仕事でペコペコしていたり、スーパーで見切り品を買っていたりする姿を見ると、幻滅してしまうことがあります。
バーという空間は、ある意味「非日常的な」空気をもたらしてくれます。
それゆえ、私たちは、バーで出会った素敵なその人の、日常すぎる姿を見たくないんです。
非日常から生まれる恋心 恋も恋愛も、きっかけは、カン違いや思い込みから始まることがあります。
二人の関係が始まったとたん「こんなはずじゃなかった」と感じるのは、その証拠です。お互いに、相手のことを美化して憧れたり過度の期待を持ってしまうところから、「恋」が始まるわけですが、バーでの出会いは特にそれに拍車をかけてくれます。
分かっていても魅かれてしまうときもある とはいえ、人は感情的な生き物ですから、頭ではわかっていても恋に落ちてしまうこともあります。
バーで出会った人に、くらっと来たり、ビビッと感じたりすることもあるでしょう。
しかし、バーでの出会いから始まる恋というのは、とても息が短く、長続きしないというのが私の経験です。
それは、夢の中で出会った人と恋愛するようなものです。
現実世界に引き出してしまったとたんに、魅力は薄れてしまい、恋心は煙のように消えてしまうでしょう。
もし、あなたが今、バーで出会っただれかに憧れていたり、恋人関係になりたいと思っているなら、まずは、お互いの昼間の顔を確かめ合うことが先決です。
もちろん、日陰の恋人としてなら別ですが。